石田衣良「LAST」

LAST (ラスト) (講談社文庫)

LAST (ラスト) (講談社文庫)

人生崖っぷちまで追い込まれた人々の最後の一手を描く短編集。
もっとあれこれいろんな状況があるのかと思ったら大体は金ね。まあ世の中そんなもんかね。「え、これで終わり? 希望も何もあったもんじゃない!」という作品から、起死回生とまではいかないもののそこで何かを掴んでみせる作品まで。元はホラーとして書いたという「ラストコール」はすごい。この気持ち悪さ。これがいちばんインパクトあった。「ラストドロー」はちょっとしたミステリ仕立て。「ラストシュート」何だかよくわからない幕引き。やっぱり全体的に暗いと言うか気持ち悪いと言うか・・・と思いきや、まあそれなりに前向きだったりもする。とことん駄目にしちゃっても良かった気もするけど、まあこれはこれでちゃんと面白い。