風流冷飯伝 (新潮文庫)

風流冷飯伝 (新潮文庫)

ものすごく珍しく時代劇。普段人の感想を読んでもなかなか「おれも読んでみよう!」とはならないのだけど、+ ChiekoaLibrary +さんの「退屈姫君伝」の感想があまりにも楽しそうだったので、ついシリーズ頭から読んでみるかなあ、という気になって手にとってしまった。
時代劇と言っても激しいチャンバラがあるわけでもなく、太平の世、冷や飯食い共がのんべんだらりとすごす中、幇間の一八が行ったり来たりするコメディ調で、肩肘張らずに読める。しかしこれはもう登場人物の魅力が第一だなあ。うだつのあがらぬ冷や飯どもが憎めんやつらでなあ。こいつら見てるだけで泣いたり笑ったり。爆発力はないけど、楽しい一冊でした。
あとストーリーに将棋が深く関わってくるので*1、読んでたら久しぶりに指してみたくなった。まあルールを知ってるだけで強くもなんともないのだけど。

*1:将棋の知識が必要なわけではないけどね