そういえば書き忘れていたけど今日付けで本サイトで取り上げた「秘密の花園」は借り物です。おすすめ学園もの云々の頃に借りて、ようやく読めました。ありがとうございます。
あとあえて書かなかったのですがカトリック系とか幼稚舎からの一貫教育とか(大学は無いけど)マリア像とか、なんか最近大騒ぎの某作品を想起させられました。かと言って中身というかベクトルは全然違いますけど。


 ついでに、この作品でいちばん共感できたのは翠でした。僕は10代中頃はまわりからクールだとか冷たいだとか冷めてるだとかいわれるような人間でありまして、冷酷・無関心・没交渉・人間不信などを併発しておりました。人とは常に一歩置き、かつ盲目的に信用しては裏切られ傷付き、足掻いておりました。そして我が身を守るためにより冷酷になることを、人を傷付けて平気でいられる傲慢さを望んでいたのです*1。100%幸福でいられないなら、すべてに不幸を振り撒く存在でありたかった。良く言えば純粋・まっすぐ、悪く言えば頑な、融通が利かないといったところでしょうか。今は大分丸くなったというか角が取れたというかひよったというか、いろんなことを適当にうっちゃることが出来るようになりましたが、それでもまだまだそういう部分はあると思います。扱いにくいんだろうなあ。

 そしてそんな頃とあることで「白か?黒か?」と悩んでいた時にある人に「じゃあ灰色」と言われて、「そんな選択肢もアリなのか!?」と大変ショックを受けたことを覚えています。その時の僕にとってその人が「那由多」であったのでしょう。これからの僕の人生に、「那由多」が現れることはあるのでしょうか。

*1:入江紀子「のら」の手糸君に大変憧れました。彼も完璧ではありませんでしたが。