YY

 女性の染色体がXX、男性がXYというのは周知の事実だろうが、ここに空想を働かせることを好む人々に一つの夢が出現する。第三の性・YYという染色体を持つ存在だ。乾くるみJの神話」(ISBN:4062734605)などその顕著な例であろう。だがちょっと待て。Y染色体を持つのは男性だけだ。ということは、YYという配置が成り立つためには男性同士の生殖行為が必要となる。男性に子宮(に準ずる器官)が無い以上それは無意味な論理ではあるが、あるいは同性愛者に対して偏見が無いとは言わないもののそこを攻撃しようとは思わないが、正直想像したくない絵だ。まあY染色体には雄性決定の機能くらいしかないらしいから(たぶん)完全に絵空事ではあるんだけどね。


 ここからはどうでもいい話だけど僕が女性=XXというのを知ったというか記憶したのは木城ゆきと銃夢」(ISBN:4088750713)とうアクション漫画によってだ。「XX(ドッペル・イクス)でありながらよくぞ(武術を)究めた」というようなセリフがあったのだ。それ以来、XX→ドッペル・イクス→「XXでありながら」→ガリィ(主人公)は女性→XXは女性(→XYは男性)という回路が組み上がった。また「ドッペル・イクス(=ダブル・エックス)」という言葉の響きも良かったのだろうと思う。


 そんな感じで僕は小説や漫画・映画、曲の歌詞などで得た知識の割合が人より高いような気がする。大事なことはすぐ忘れるくせにどうでもいいことばかり覚えているのは、それらが印象深い物語やメロディと共に記憶されているせいかもしれない。もちろんそれらの情報の中には間違いや憶測、設定として作り上げただけの話、故意の誤りなどがあることには注意しなければならないが。