打海文三「愚者と愚者(下)」

うーむ。ちょっと前に「裸者と裸者」が平積みされてて気になってて、でも買わなくて、最近この「愚者と愚者」が並んでて、帯に「代表作にして最高傑作!」とか書いてあって、じゃあ読んでみるか、と思ったらこれでもかというくらい続き物だった。まあそんな気はしてたけど。
国というシステムが崩壊して戦国時代に突入した日本が舞台のドンパチと少年少女の成長譚。おれは軍事オタではないのでその辺の細かい話は全然わからなくて結構読むのに苦労したけど、話自体は面白かったな。武器とか兵器とかの固有名詞がバンバン飛び交うみたいなこともないので置いてけぼり感も少ないし。頻出する「AK」はたぶん銃の型番かなんかなんだろうけど、それくらい。でもほんと知識がないので一個師団とか一個大隊とか言われてもそれがどのくらいの規模なんだが全然スケールがつかめない。どっちが多いのかもわからん。あと舞台がほぼ現実通りの関東圏なのだけど、地理がとことん苦手なので県はともかく市町村レベルとか道路の名称とかさっぱりで「○○軍が××駐屯地から△△号線を南下して▽▽市に侵攻」なんて記述があっても地図が浮かんでくれなくて困った。もったいない。主要都市と道路、物語開始時の各勢力の支配地域が入った地図があれば良かったのになあ。
著者は昨年亡くなったようで、もう新作は読めないわけですが、このシリーズって2作品だけなんだろか? さびしいなあ。