エミリー (集英社文庫)

エミリー (集英社文庫)

出かける時に時間無くてあわてて積読棚から拾い上げたのだけど、これすげー良かった。ストーリーとかは別にどうということも無いっつーか珍しくもないし中途半端だし取り立てて褒めるようなとこもないけど、文体と言うか文語調の会話?なんか読んでて気持ちいいっていうかドキドキするような感じ。これは個人的な感じ方だと思うので万人が面白がれるわけじゃないだろうけど。あと「コルセット」のヒロインが自分に自信なくて眉間にしわ寄せて困ったように怯えたようにしゃべるさまが眼に浮かんでイライラしつつもその額に思い切り拳を叩き込んでやりてえとかゾクゾクする感じがたまらんかった(友人にはドSと言われます)。
全般に“お洋服”に対する愛が溢れてて、詳しいこと知らんでもほほえましく感じたり、なんかいいもんなんかなあ、と思えたり。おれも昔はバイト代が出ると金曜深夜のバイトが終わったその足でフラフラと渋谷とか代官山へ行き服屋を巡ったものよのう(今はその影もない)。