となり町戦争 (集英社文庫)

となり町戦争 (集英社文庫)

これはかなり前からその設定が気になってた作品で、文庫落ちを楽しみにしてた。んで他の作品のあらすじとか見てみるとどれも設定が面白そうなのよね。この人の発想、素敵やわー。期待。
ほんでこの作品、もっとコメディ調のドタバタ劇かと思ってた*1んだけど、案外考えさせられる内容だった。“戦争を知らずに僕らは育った”ってな感じで。正直、政治とか経済とか社会とかそういうのは苦手で興味もないのでその辺の云々はきつかったかなあ。メロドラマみたいなのも入ってるけどね。そんでこれ、発想はやっぱり面白いんだけど中編くらいでやるレベルだったかなー、と思う。長編にするならもっと掘り下げるべき部分があるような気がするんだよな。それこそ、逃走劇を削ってでもね。どうもキャラが役割のために作られてる感じがする。とまあけなしてばっかですけど面白くはありましたよ。少なくとも読んで損したとは思わない。
そういえば以前「小説すばる新人賞は相性が良さそうなので賞で追ってみようかな」とか言ってましたけども(id:standalone:20060222:1140606239)、それ以来の受賞作でした。案の定、これまでまったく何もしていませんでした。多分これからもそんなスタンスです。

*1:極端に言ってしまえば「大久保町の決闘」みたいな。