高橋文樹「途中下車」

途中下車 (幻冬舎文庫)

途中下車 (幻冬舎文庫)

両親と死に別れ、残された兄と妹の禁断の愛うんぬん・・・。
本屋でパッと目に入って何となく読んでみたのだけど、正直「“近親相姦”というタブーで気を引くだけの安っぽい作品なんだろな」と思ってた。そしたら170ページ弱という薄さの中に通常の恋愛や友情、人の死など予想以上にあれこれいろんな要素が詰まってて、かなり楽しめた。主題は基本的に背徳行為なわけで、全体的に陰鬱ではあるのだけど。
まったく期待していなかった分、相対的に評価が高くなった。他の作品も読んでみたい・・・と思ったらこれしか出てなかった。4年経つのに第2作がないのか! もう書かないのかな・・・?