関口尚「プリズムの夏」

プリズムの夏 (集英社文庫)

プリズムの夏 (集英社文庫)

やりたいことが見つからない植野と、家庭の事情で進みたい道を諦めなければならないかもしれない今井。二人が憧れる、映画館の受付に座る年上の女性・松下さん。ネット上で見つけたうつ日記の作者が松下さんなのではないかと疑い始めるのだが・・・。
第15回小説すばる新人賞受賞作だそうですよ。うーん、なんだろなあ、何か気持ち悪い。主人公達の言葉で言及される“ネットでうつ日記を書くことの気持ち悪さ”が結局のところ払拭されてないんだよなあ。植野はともかく、今井の側の回復がきっちり描かれないと言うか口頭で済まされてるのも納得いかない。展開とかは課題図書にでもなりそうな青春小説の典型といった感じなんだけど。いまいち素直に入り込めない。