川島誠「夏のこどもたち」

夏のこどもたち (角川文庫)

夏のこどもたち (角川文庫)

どれも小中学生の“こどもたち”が主人公の短編集、というよりは、掌編3つに中編、といった構成。
川島誠かあ。どうしてもジャケ絵の志村貴子に引っ張られちまう。脳内で志村貴子の絵で再生されるし、志村貴子の物語として語られてしまう。掌編3つはともかくとして、表題作もだらだらと終わっていくのかと思ったら最後でひと波乱起こしてくれたのでよかったかな。最後の最後はご都合主義っぽくもあるけど、児童文学よりの作品だろうしね。強く残るものがあるわけでもないけど、行間たっぷり改行たっぷりでさらりと読める。